2009/11/22

この大事な時に

●11月6日の参議院予算委員会で、前厚相の舛添氏が長妻厚労大臣に、インフルエンザワクチンの容器について質問していた●実はその容器が大問題となっている●ワクチンは一度容器を開けると24時間以内に使わないとダメになる●長妻厚労大臣の主張は通常は一人分づつを容器に詰めるが、そうなると作業に時間がかかる。まとめて何十人分を大型容器に詰めて出荷したほうが時間がかからない、早くできる●舛添参院議員は街の個人病院で集団接種でもないのに何十人分もの大型容器に入ったワクチンは使い切れない、残りは廃棄することになりムダになる、と主張、私だったらこんなことは許可しないとまで言った●それから2週間たってNHK番組の『特報首都圏』で、まさに舛添参院議員の言うとおりで、医療現場ではかなり使い勝手も含めて混乱しているとのことである●まあ、感じとすればヤクルトの1リットルボトルみたいなもので、使えないし買わない(だから売っていない)●大臣のもとには早く医療現場に届けてくれ、全国各地から悲鳴にも近い要望が殺到していたのだろうが、11月6日の時点で舛添氏から的確な指摘を受けていたのだから、大臣の判断ミスだろう●11月19日の毎日新聞「二転三転ワクチン騒動」ではこう伝えている「長妻昭厚労相は6日の参院予算委員会で『10ミリリットルの容器で出荷すれば、梱包とか手間が省けて製造量を増やせる』と述べ、より多くの人が早い時期に効率よく接種できるとの見解を披露した。『1ミリリットルでは2回分を注射すれば容器は廃棄処分』などとリサイクル環境問題に論点をそらしたかと思えば『製造会社の1社が1ミリリットル容器で作るとすると季節性インフルのワクチン製造を中止しなければいけないという話なので、ぎりぎりの判断をした』支離滅裂である。」●毎日新聞は厚労相の判断を支離滅裂とまで断じている。結果がこうだけに否定もできないだろうが●さらに毎日新聞は22日の朝刊で“強権「一匹オオカミ」”と見出しを打ち、完全に批判キャンペーンを張っている●その記事は以下のように結ばれている「自ら壁を築く長妻氏を厚労省幹部は『少しでも官僚に妥協するとオレは終わりだと、針のよろいを着ている』と言う。省内に『長妻派』と呼べる職員はいない。『一匹オオカミ』の長妻氏には、党内にも足場はない。当初は頻繁に開かれていた、副厚労相、政務官との政務三役会もめっきり減っている」●嫌われている官僚の発言は別としても、政務三役会や党内でも浮いているというのは尋常ではない●現在、日本が直面している感染症対策の最前線は大丈夫なのだろうか。一丸となり得ていない厚労省。