2010/11/15

農業の開放 税金の生きた使い方

 
上掲は11月9日のNHKニュースウオッチ9の一部。APEC会議を前にして、TPPへの対応が問題になっている時のもので、結果として日本はオブザーバーという奇妙な位置を表明したAPECは努力義務、TPPは法的拘束力だから、大変なのはわかるが、それならば農家の戸別所得補償政策など何のために行ったのか、政権は問われる。その政権がTPP参加の足止めをしているのだから世話はないこのNHKでは、まず過去の農政の失敗を後悔する政治家から始まる。結果として莫大な農業を強くする予算が組まれるのだが、その使途は公共事業費となり各地に温泉と農道が整備されただけということで、ちっとも日本の農業はかわらなかったということである莫大な税金がその場だけの効果であって、その後に続かない、という指摘は重要だ番組ではTTPのほかに様々な選択肢があることを紹介している先般、日本の農業地帯を見てきたが、公共事業は野放図な形で展開している感じがした現在の問題点は税金が本当に「生き金」として使われているかである。農業振興対策費として、従事者が高齢化しているから、あちこちに温泉施設を作ることが優先される税金の使い方こそ問題なのである税金は大切に使われなくてはならない、当然のことである。しかし、そのことだけが強調されると、確実なものばかりしか使われず、可能性のあるものへの支出は避けられる役人は確実なものばかりが好きである。責任を問われないからである。経済大国2位の日本の凋落は、役人の責任回避から来る税金の使い方にある。可能性のある使い方こそが投資に値するのだが。