2011/08/08

世田谷区政の秋


 8月7日の朝日新聞に「保坂・世田谷区長3カ月」という記事が。放射線量調査では成果があがったと評価。ただし電力情報の公開は電力会社の拒否で進んでいないと。
 実は区議会の中では、保坂氏は何を目指して区長になったのか、疑問視する声が上がりつつある。災害について、原発について、放射線について、発信力はあるものの、具体策について行政はついていけてない。
 笛吹けど行政は踊らず、どころか区民の関心も急速に薄れているとか。記事によれば就任直後に200通以上集まった「区長へのメール」は今は1日数通。
 以後3か月で、国民が浴びた原発に関する情報量はすさまじい。しかも目の当たりにする被害を含めた情報は自分たちの生命に直結するだけに学習効果を高める。
 その結果、脱原発のためには電力の自由化や発送電分離という問題を解決しなければならないことがわかった。まさに国レベルの問題である。さらに区長レベルでは電力会社は見向きもしないということも証明されてしまった。
 区長選当時はかなり先進的な主張であっても、以後3か月で区民の意識が追いついてしまったということである。
 区長の“本業”は区の経営である。財政問題を基底にして安全安心を含めた福祉の実現が主要な幹である。その幹を支えるために行政があると言ってよい。
 残念ながら行政のホンネは「野党の国会議員の感覚で区長をやられても困るよなー」「他人の考えを聞く前にトップの考えを示さなければ何も言えないじゃん」「トップが次から次へと決断してくれないと動けない」「結局「ていねいに」は何もするなということ?」「まかせると言って自分で判断する、自分で判断するといって他人の意見を聞く、二重の苦労」あたりに・・・。
 トップの資質が試される秋。