2013/05/24

区立と私立でこんなに違う保育園の運営経費

 保育園の待機児対策で求められていることは、保育園を増やせ、ということである。当たり前のことのようだが、保育園は“税金のかたまり”のような施設である。(もちろん福祉の根源は“税金のかたまり”であってしかるべきだ)つまり増やせ、ということは予算を増やせと同じ意味である。

 ただし地方自治体は財政難(国も含めて)予算は足りない、というのが実情だ。

 そこで、足りないというなら、限られた予算をもっと上手に使う方法はないだろうか、こう考えて見ることは現実的だ。
 認可保育園には区立と私立(社会福祉法人等の運営)に分かれるが、区の予算で考えれば、区立への税金投入は私立への税金投入の1.6倍も掛かっている。


 具体的には100人規模の保育園をモデルケースにして世田谷区のH23年度決算数値で比較してみると区立保育園への区からの税金投入額は1億6700万、一方私立保育園へは1億0400万円である。

 単純に考えれば、区立2園分の税負担で私立3園分が賄えれる、ということである。(もちろん私立といっても世田谷区の場合、株式会社は入っていない)

 現在、世田谷区の区立保育園は50園(定員5184名)、私立保育園は65園(定員5123名)である。(4月1日現在)

 区立保育園を私立保育園に変えれば予算的には同じでも定員枠を計算では3千名は増やすことができる。(ことはそう簡単ではないし、配慮を擁する子どもへの区立の役割という問題もある。)

 まず待機児童対策としては区立保育園の民営化(私立への転換)というのが現実的な解決策であろう。このことは一貫して言い続けているが、まだ5園しか民営化は進んでいない。

※中段の表は区の資料をもとに大庭が作成したもの。数値等はすべて区からの数字。