2015/12/12

世田谷区の庁舎問題のキモ(その1)

庁舎問題について、保坂区長と議会の主要会派との考え方の違いを整理してみる。

極々、単純化してみると、

前川國男氏の設計した世田谷区役所の“保存”に区民の税金80億円を増額してまで、価値を認めるか否かという点にある。(総事業費300億円→380億円)

議会の主要会派は、そこまでの価値は認められないだろう、というスタンス。

しかし保坂区長は、80億円の価値を認める、と言って譲らない、というのが対立の構図。

しかも保存となると金額だけではなく、庁舎の配置パターンが制約を受ける。これが目に見える「違い」となり「機能性」の制約要因につながる。

前川國男は建築の世界では「巨匠」である。しかし庁舎を「芸術品」として見るか、「実用品」として見るかは、税金の使われ方として、その額(80億円)がふさわしいかどうかが判断の分かれ目となる。

仮に前川建築の価値を認めたとしても80億円とは途方もない額である。

保坂区長は「芸術品庁舎」に380億円かけたい、と主張しているのに対し、議会側の主要会派は「簡素で機能性が高く廉価な庁舎」で良いと主張しているのである。

このことが第一のキモである。