2018/02/04

財政危機につながるバブル崩壊


2月2日の毎日新聞夕刊によると、現在の景気では、3つのバブルが発生中とのこと。

一つは株式バブル。二つ目は仮想コインにみられるようなマネーゲーム化している個々の対象物。そして三つ目は限定された地域だけの不動産バブル。

上がるから買う、買うから上がるというループに陥っているのが上記の3つの経済現場。すでに仮想コインはバブルがはじけ始めている。

そもそもこれらの推進力となっているのが、日銀の緩和策と公的年金資金の投入。結果大量の資金が株式市場に流れ、さらに不動産投資信託にも流れているという。

本来、需要がないところに、日銀がお金を出しまくり、資金運用先に困った会社や個人が、単に上がるからという理由だけで事実上の投機に手を染めてしまっている、といったところか。

不動産も、ブランドのある地域や駅から5分以内という物件はバブルの対象になっているらしいが、それ以外の地ではバブルの波は及んでいない。

そもそもマイナス金利では、銀行はどうやって存在できるのだろうか。

記事では今回のバブルは限定的にお金が集まっているところだけだから、まともな民間企業は内部留保を十分に備えているので、大半の国民は好景気の実感がないのと同様に、バブルがはじけても、その被害はないだろう、しょせん富裕層の出来事のように書いているが、そうだろうか。

まあ、まともな民間企業が仮想通貨にそんなに深く突っ込んでいるとは思えないが、株式や不動産にはどうだろうか。結構内部留保をつぎ込んでいる可能性もある。

さらに根っこのところで国民の公的年金を使っているのだ。その巨大さ故、売ることは相場全体へ多大な影響を及ぼす。不動産ファンドも同じ。しかし売らなければ“換金”できない。ジレンマのバブルだ。バブルの究極は誰が先に売るか、である。

経済の歴史は富裕層の起こしたバブル崩壊が富裕層だけにとどまらないことを教えている。

私たちにできることは、富裕層のバブル周辺を指して経済は順調と叫ぶ日本のトップ(政府)をどこまで信用するかだ。交代するトップがいないのが日本の危機なのだが。